葛飾北斎 東海道53次 原     
   
      北斎の東海道シリーズは幾つかありますが、この絵は小判で風景よりも人物を中心にしたシリーズです。
原は潮流で砂が溜まった洲にあるので地面は平らだと思っていましたが、もこっとした小山が続いています。風呂敷に入れた荷物を背負ったり、天秤棒で荷を担いでいる旅人が松林の続く浜辺の街道を歩いています。
広重の浮世絵もそうですが、北斎の絵でも描かれている馬はみな空馬です。平らな土地柄から馬を使う客が少ないのでしょう。きっと公務の仕事帰りに客がつかないのだと思います。引いている村人は伏し目がちです。