葛飾北斎 東海道五十三次 絵本駅路鈴 沼津    
   
  北斎の東海道シリーズは幾つかありますが、この絵は中判竪絵で「春興五十三駄之内」と共に北斎の中心的なシリーズです。
千本松原沿いの街道を行く、籠に乗った女性の旅人。籠の後ろにいる男性は、供の者でしょうかキセルを使っています。腰に指しているのは長ドスなのでしょうか。
駕籠舁きは汗を拭いているので、この絵は松の木陰で暑さをしのいで休んでいるところなのでしょう。
当時の旅行案内書には、「三島から由井にかけては平坦な地形なので足弱の人でも休まず歩け」と書かれているそうです。沼津で籠を使っているこの女性は裕福な人なのでしょう。